50歳を超えたら長湯はご用心

「おうちの一生とお付き合いします」みどり建築のみどりんです。

70歳代で一人暮らしの男性のお客様のご希望は、
「お風呂で、ゆったりと過ごしたい」
でした。
「お酒でも、持って入って、
 ジャグジーでマッサージしもって、
 テレビ見ながら、ゆっくりと癒されたいなぁ」
一見、お~~、贅沢な時間やなぁ、
と思いませんか?
でも、私は断りました。

せっかく、老後の楽しみに、
理想を語って頂いたんですが、
70歳は、若い気でいても、もう高齢者です。
お風呂の長湯は、命取りになります。
特に、冬場は、お水を飲む量も減ります。
それで長湯すると、知らん間に汗をかいて、
脱水になりやすい。
そしたら、血がドロドロになって、
血管が詰まり安くなります。

おまけに、一人暮らし。
なかなか出てこないなぁって
心配して、見に来てくれる人がいません。
危ない危ない。

長湯の素になる、
ジャグジーやテレビなんて、もってのほか!
「テレビは、ゆっくりと風呂上りに見てください」
と言って、
シンプルなお風呂にして頂きました。

父が生前
お風呂から出てこないことがありました。
「まだ入ってんの?」
「お~」
「はよ、出ておいでよ」
「お~」
返事はするのに、それから15分経っても出てきません。
「まだ、入ってんの。いい加減にしたら」
「お~」
足に力が入らなくなっていて、
一人では、上がって来れなくなってました。
ふたり掛かりで、引きずり上げて無事でしたが。
この時、お風呂って
本人は、気持ちの良いままで、
無意識になっていく、怖い所だと、思いました。

人生100年時代、としたら、
50歳は折り返し地点。
私の感覚では、
放物線の頂点が50歳だと思うんです。
50歳を超えたら、そろそろ長湯は危険だよ。