あと10年、持つ家って

50代からのリフォームで女子力アップ工務店のみどりんです。

今年の漢字は「密」ですね。
候補に挙がってる漢字の中では、
一番明るい字で良かったと思います。
親密とか精密とか緻密とか、良い意味もあるから。


「あと10年。持つ家にリフォームしてください」
結構な難題をだされました。
「なぜ、あと10年なんですか?」
「きっと10年後には施設に行くか、死んでるか、やわ」
「それだったら、あと30年ですよ」
「そんな生きたないし。
 私は生きてるかもしれんけど、旦那は死んでるわ。
 そしたら、息子のところに行こうと思ってんのよ」
「きっと10年後は、まだピンピンしてらっしゃいますよ」

それにしても、10年持たすって…。
いつ震度7の地震が来るかわからないし、
確実に10年と言われれば耐震改修が必要。
快適に過ごそうとしたら、温熱改修も必要。
安全に過ごすんだったら、バリアフリー改修もしなければ。
そんな話をしました。

すると、
「そこまで大層な事しなくてもええわ。
 ちょっと小ざっぱり小ぎれいにする感じでいいのよ」
「あらっ?それでいいんですか?」
「お風呂とトイレが綺麗になって、
 敷居とかが無くなってくれたらいいわ。
 あと、洗面台もね」
10年持つ家っていうのは、
簡単なリフォームっていう意味だったんだなって気が付きました。
トイレを洋便器に替えて、
お風呂をユニットバスにして、
段差解消で床を高い所に合わせました。

案の定、
それから10年は経ちました。
先日、
「玄関の鍵が壊れたから、見に来て」
と電話がありました。
ご夫婦とも、お元気で過ごされています。
きっと、まだ20年は頑張っておられると思います。
人生は、予定通り行かないようですね。